長期入院の友人の言葉から看護師を志したが、思うように看護出来ず悩んだ2年間

看護師 長坂絵里香

学生時代、大病を患った友人が、長期入院の後復学しました。担任の先生からは、辛い治療を思いおこすので病気の事は聞かないようにと説明があり、友人は復学してきました。復学後、丁度隣の席だった私に対し、どんなに治療が辛かったか、勉強に遅れないようどんなに勉強を頑張っていたか、みんなの話題についていけないのが辛いと堰を切ったように話す友人に対し、返す言葉も見つかりませんでした。どのように接していいのかもわからない中、たくさん話を聞いて欲しいのだろうと感じた私は出来る限り一緒にいようと決め、休み時間は常に一緒にいるようになりました。一緒に過ごす中で友人より、長い入院中は本当に寂しく、でも看護師が精神的なサポートをしてくれ、友人にもなってくれていたと話をしてくれました。その言葉を聞いた時、看護師とはどんな仕事なんだろうという強い興味が湧き、それが看護師を志すきっかけとなりました。「こども達に寄り添える」そんな看護師になりたいという思いを抱きながら、念願叶い小児科病棟に配属となりました。しかしながら現在は、やるべき事に終われ、ただただこなすだけの仕事になってしまい、患者さんに寄り添いたくても思うように出来ず、変われない自分に葛藤の毎日でした。

自身や家族の医療体験を得て、看てもらう立場になって気付かされた「家族を看るような気持ちでケアする看護」

自身の妊娠・出産、家族の病気などを通して、患者側の立場を経験したことで、看護師として相手の立場に立って考える事が出来るようになったと思います。逆の立場になると今まで見ていなかった事も見えるようになり、医療者の言葉の掛け方、表情、行動で一喜一憂する気持ちがわかるようになりました。また、相手のことを大切に思いながらケアしている気持ちは相手に伝わるのだという事も実感する事が出来ました。逆を言うと、大切にされていないと感じる対応も敏感に感じることが出来ました。
以前、患者さんに、「いきなり日常生活から離されベッドに寝かされると自分がモノのように感じる」と言われた事がありました。それからは、単に身の回りのお世話や医師の指示に従って処置をするだけでなく、家族を看るようにケアすることを心掛けるようになりました。友人が教えてくれた、「患者と看護師」としてではなく、「人間対人間」で関わる気持ちでケアをする事にこだわり続けたいと思っています。
看護師は、患者さんにとって痛みを伴う処置や治療のため制限することを指導したり、羞恥心を伴う処置を行うことが多々あります。そんな患者さんにとってストレスフルな入院生活の中で、少しでも快適に過ごし、治療に挑めるよう配慮する必要があります。そのため、私は、「1日1ギフト」1日ひとつは患者さんにとって気持ちの良いケアを提供できるように心掛けています。例えば、身体を綺麗にする、不自由を感じることなく生活できるよう身の回りの環境を整える、患者さんが笑顔になるよう関わることなどです。そして、そこに家族に接するような気持ちを添えることを忘れず看護を行なっていきたいと思っています。